変形性膝関節症は中高年の太った女性に多い病気で、膝の内側に痛みを訴える病気です。
時には水が溜まる事もあります。膝の内側の関節軟骨が侵され、O脚が更に強くなります。
若い時に重労働をした人。スポーツマン。膝の怪我をした人は、男女を問わず中年以前でも発病します。
症状は ①膝の動きが悪くなり、正座が出来なくなる。
②階段の昇降、特に降りる時痛みがでる。
③膝に関節液が溜まって腫れてくる。
④O脚が段々強くなる。
レントゲン所見では、関節の角が変形(骨棘形成)、骨硬化など軟骨の変性による結果の所見を認めます。
≪関節の水を抜く理由は≫
外来では、関節の水を抜くと癖になるからとの訴えが時々あります。それは間違いです。
必要があるから関節液を抜くのです。第一の目的は診断の為です。関節液を見ると、炎症性か非炎症性か、
または血液が溜まっている事もあります。関節内部で何が起こっているのかを教えてくれるのです。
第二の目的は治療です。関節液が多量に溜まると、炎症性の時は強い痛みを起こします。
非炎症性の時は、重苦しい感じがします。 多量に溜った状態を放置すると関節の組織にも有害です。
以上の理由で医師が必要と認める時は関節液を抜くのです。
≪普段の生活及び治療≫
お風呂に入って温める事。サポーターで膝の保温。正座をしない事。トイレは洋式にする事等膝に負担をかけないようにする。
痛みの出現する動作は避ける事です。膝のストレッチ体操。大腿四頭筋の訓練。
この筋力が強化される事により症状が改善します。当院での治療では、更にホットパック、レーザー照射を行っています。
場合によっては足底装具を作製します。
薬物療法では、内服薬・外用薬・注射薬があります。特に関節内注射としてのヒアルロン酸は、副作用も少なく 軟骨代謝を活性化するので広く使われています。
以上の治療で改善が期待できない場合は、手術療法として骨切り術、人工関節置換術等があります。
特に注意してもらいたい事は肥満です。肥満の解消が最も大事と思いますが、まずは体重を増やさない様に努力して下さい。
運動による減量も、膝が痛くて運動が制限されます。プール中での歩行をお勧めします。水の中では浮力が働くので膝への負担が軽減します。
当院受診時何か御質問、御相談等ございましたらお気軽にお話して下さい。